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第260回「私にとって本当の薬とは」

こんにちは! 柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。秋晴れの爽やかな気候になったかと思えば朝晩はもう寒くなってきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 私はと言えば…いろいろなトラブルで遅れていた卓球台がやっと届いたんです❣(*´▽`*) 秋と言えば今までは食欲の秋だったんですが、今年は「スポーツの秋」です! 丁度涼しくなったので、以前のクリニック通信で書いた卓球マシンで運動する事にしました。しかし、さぁやるぞ!と意気込んだものの、よく見ると説明書も入ってないやん! 製品情報と取り付け方が書いてある紙がペラっと1枚入ってるだけ。またか~卓球屋!(この卓球屋のいい加減なところは前回のクリニック通信にさんざん書いたので、今回は割愛…。)卓球屋に連絡するも、例のごとくなかなか電話も繋がらず…やっと繋がったと思ったら「あ、それ説明書ないんですよ」ええ~~っ?? 今時説明書のない機械なんかあるん??(安いもんとちゃうのに…。)「メーカーに設置と説明に行かせますんで…1週間後になりますけど」てな感じで、なかなか練習が開始できません。しかし説明書なかったら説明に来てもらうしかないしなぁ。仕方なくメーカーの人が来るのを待ちました。


さて当日。メーカーのおっちゃんは夜の8時からマシンの設置と説明に来てくれたので、えらい遅い時間に来てくれるんやなぁと思ってたら、そんな時間でも快く来てくれる理由がすぐに分かりました。マシンを設置する時も説明の時も生き生きしてて、「このマシンほんとに凄いんですよ! 僕が現役の時にこんなマシンがあったらなぁ、ってほんま思いましたもん!」って話す目がキラキラ輝いてるんです! もうこの人は卓球が好き過ぎて卓球メーカーに勤めたんやなぁって一目で分かる感じでした。卓球台を設置した部屋は結構狭かったので(と言うか、卓球台って結構大きいんですよねぇ…)壁際に置いていた机を隣の部屋に移動しないとマシンが設置しにくく、机を移動するには隣の部屋の家具を3つもずらさないといけなかったんですが、おっちゃんは自ら進んで家具を移動してくれたんです! そして設置が終わると、マシンのリモコンに何十種類も内蔵されている練習パターンを丁寧に説明してくれました。

私はマシンを使うのは初めてだったので今までのマシンとの違いがよく分かってなかったんですが、おっちゃん曰くは今までのマシンは配球がワンパターンだったのが、このマシンはボール射出口の角度が自在に動き、回転方向やコースを変更可能なのが凄いんだそうです。「常識を覆すスマート卓球ロボットとして、多種多様な練習を行うことができる最新のマシン」と謳われているだけあって、従来のマシンに比べて多彩な送球性・速さ・回転・コースを選べ、広範囲な『首振り』機能で今までにない送球の『高さ(角度)』も調整できるらしい。操作は小型モニターで行うんですが、このモニターに内蔵されている練習プログラムは66パターンもあり、それに加えて自作で練習メニューを作ることができ、60パターンまで保存することが可能だそうです。私が凄いと思ったのは、集球ネットと一緒に卓球台に固定すると勝手に球を集めて送球してくれるところ。(感動するのはそこ?って突っ込まれそうですが。)おっちゃんの説明は熱く、あっという間に時間が過ぎて10時を回ってしまいました。ここまで熱心に仕事する人、久しぶりに見ました。趣味が高じて仕事になったって感じでしょうか。



さて、この卓球マシンには新しいもの好きの友人Mも興味津々で、早速使ってみようという事になりました。まずは、予め設計されたプログラムで練習できる「内蔵プログラム」を試してみる事に。送球コースは1点練習(フォア・バックなどの1コース)・2点練習(フォア→フォア・フォア→バック等)・多点練習(フォア→フォア→バック・バック→バック→フォア等)の3種類から選べ、それぞれで回転の種類や難易度を選べるので1点練習は8パターン、2点練習は20パターン、多点練習は38パターンもあります。難易度は3段階あり、難易度が上がると配球間隔が短くなり、球の速さと回転量も上がるようです。さらにコースは前後左右に10段階の微調整でき、調整の度にテストが可能。セットの再生は「時間指定(分単位で1分~240分。誰がするねん…って感じですが。)」または「回数(セット単位。設定したプログラムを1~240セット繰り返す)」で設定可能。さらに、セットを「ループ」させるか「シャッフル」させるか設定可能と…ふむふむ。(マニアックな内容ですいません。)たくさんのパターンがあるので1つずつ試すだけでも結構いい運動になり、自作プログラムを作るまではいきませんでしたが…。



マシンの使い方は大体分かったからこれで一人でも練習できるし、今日はせっかく2人なので、いっちょ打ち合うか…という事になり、Mと手合わせをする事に。昔Mの会社の人たちと一緒に「卓球バー」なるもの(バーに卓球台が置いてあり、飲みの合間に卓球するという志向のバーでした。店主が卓球好きだったんでしょうねぇ…)でちょっと卓球して以来なので、Mと打つのは20年ぶりです。卓球バーで打った時の事はあんまり記憶になかったので、どうせ温泉卓球に毛が生えたくらいだろうとたかをくくってたんですが…いざ打ってみると、意外と上手いやん! 卓球部の現役の学生でもなかなか返せない私の得意のナックル(無回転)サーブをいとも簡単に返してくるし、スマッシュも結構返してくるし…近畿大会優勝・全医歯薬3位の私を相手に、なかなかやるやないか! 現役の大学生でも、中高経験者(中学・高校と卓球部だった子)くらいの実力です。結構互角に打ち合えるとなると、一気に熱が入って楽しくなってきました。Mに言わせると卓球台を置いてる部屋が狭く打ち合うのにカツカツで、下がったり左右に大きく動いたりできないので実力が発揮できなかったそうですが、それでも久しぶりに熱戦を繰り広げる事ができ、決まったら「よっしゃ!」とかミスったら「クソ~!」と言いあって、キャッキャとはしゃいでしまいました。一汗かいたので「あ~楽しかった❣(*´▽`*) またやろう~!」と、ドリンクタイムで乾杯!(アンチエイジングのためにお酒はやめたのでノンアルやけど。)




後日Mと会った時に卓球の話になったので「そやけど、えらい上手いやん! 昔打った時そんな上手かったっけ?」と聞くと、Mは20代から会社を経営してたんですが、その頃は自分も社員も若かったので、よくみんなでボーリング場にある卓球場に行って賭け卓球をしてて、その頃から仲間内では結構強かったんだとか。卓球バーではその辺の安物ラケットを使ったから実力を発揮できなかったのかな? そんな話をしていると、Mが急に「卓球台置く部屋をもっと広くしたら? 仕切りの壁取ったりして」と言い出しました。そして、「この前見てて、せっちゃん(私の事)の人生、卓球サロンを中心に考えた方がいいんちゃうかなという気がしたけどね。あんなに喜んでるせっちゃん見たん、初めてやったから」と…。なんと25年も前から知ってるのに、「あんなに喜んでるの初めて見た」と言われるとは…。「え、ほんと?」と聞くと、「うん。もうそこに人生を集中させた方がええんちゃうか、思たけどね。学生とかもいつも来てサロンのようにみんなが卓球してて、その間でワーッと喋ってピザでも取ってみんなで食べて飲んでとか、そんな方がええんちゃうんかなって思た。やっぱり卓球好きなんやな、て思ったよ」「え、いつ喜んでたっけ?」と聞くと「『楽しかった、楽しかった~❣(*´▽`*)』って言ってたやん。そんな楽しいんやったらそれを中心にしたらいいんちゃう? 後輩の学生とか来るようになって、みんなでワイワイやってたら元気になると思うけどね。学生だけじゃなくて卓球が好きな人が集まったり、そういった輪の中から美容やアンチエイジングしたいって人が出て来たりとか、卓球を中心にそうやって何か考えていったらええんとちゃう?そんなに好きやったら。それに卓球してる時は、動きいいやん。普段だるそうにしてるのに卓球の時はキビキビしてるから、これはこっち中心にした方がええんちゃうって思たけどね」って言われてしまいました。



そして、「体動かす方が健康的やし。僕らもあと何年生きるか分かれへんからねぇ。ストレスばっかり抱えて生きててもさ。年取ってくると楽しい事ってどんどん減っていくやん。だから唯一あるものを大切にしないと。他に楽しい事あれへんのちゃう?」と言われてしまいました(^-^;。「楽しいのは卓球とご飯くらいかなぁ」と言うと、「食べる事って、年取ってくると食べる物とか量が変わってくるやん、健康の事も考えるから。そうすると誰と食べるかが重要になる訳で、その時に同じ卓球好きな人と食べたら楽しいやん、卓球した後に。グルメっていうのは、年取ったら健康の事考えると難しいよ。誰と食べるかというのを中心に考えて、卓球を中心にして卓球が好きな人が集まってきて、その人たちと一緒にご飯食べるって感じがええんちゃうかなと思うけどね」「あぁ、それで後輩らとご飯食べたら楽しいんかな?」「そらそうやん。同じ趣味の人たちやから」…ふむふむ。卓球サロンもいいかも。「そしたら後輩らも遠くても来るかな?」(私の大学は京都なので、神戸はちょっと遠いんですよね。)「そりゃぁ高性能マシンもタダで使えるし、好きなだけ夜まで練習できるよとか言ったら来る奴も出てくるよ。それでたまに来たら一緒に練習したり、またご飯でも一緒に食べたりしてたら、今までの人生の中で一番楽しくなるんちゃう? 知らんけど」…それはそうかも! 卓球台の横にドリンクバーとか作って、卓球サロンなんか作ったら楽しいよね~!と久しぶりに話が弾みました。


私も開業後は健康には気をつけてきたつもりです(勤務医時代はそんな余裕はなかった…)が、ベースが西洋医学なので統合医療の概念には弱いところがあります。西洋医学は問題の原因を排除して問題を解決しようとし、その原因が一つの時には凄く成果が出るのですが、原因が複数あって相互に働く時には効果的とは限りません。例えばニュートンが万有引力の法則を発見して以来、人類は惑星の動きを正確に計算できるようになり、ロケットで月に着陸する事も可能になりました。もう現代科学の金字塔ともいえる法則なんですが、実は万有引力って物体が二つの時はほぼ完璧な計算ができるのですが、三つ以上になると複雑になってほぼ解けなくなるって知ってました?? これは三体問題と呼ばれるもので、相互作用する力が三つ以上ある時に一つの物体にかかる力を計算して位置を求めようとすると、非常に複雑になって事実上計算できない事が多くなる問題です。「そんな事言っても惑星は3つ以上あるのにちゃんと軌道計算できてるじゃん?」と思われるかもしれませんが、これは太陽という巨大な重力に比べると惑星の重力などは非常に小さいので、太陽との二体問題で近似値として計算しても十分に実用的であると言う事らしいです。現代の西洋医学も同じで、原因が一つの時は効果を発揮しますが(例えば感染症にかかった場合、その原因菌が特定できればその菌を殺す抗生物質を投与すれば劇的に回復するなど)原因が二つ以上で相互に作用する病気には歯が立ちません。例えばインスリンが出なくなって糖尿病になった場合、インスリンが出ないという一つの原因に対してはインスリンを薬剤として投与すれば症状は劇的に改善しますが、インスリンが出ないという根本原因は改善しないので、西洋医学でインスリンの出なくなった体を元の健康な体に戻せるかと言うと、恐らくほぼ不可能だと思います。なぜなら人間の体の中は非常の多くの要因が作用しあう小宇宙であって三体問題など比較にならない程複雑だからで、現代の西洋医学で体を根本的に元気にするのはほぼ不可能と思われます。



一方で、このような西洋医学が不得意な分野でこそ力を発揮するのが東洋医学です。東洋医学とは…と言う話をすると非常に複雑になってしまうので私の独断と偏見でばっさりと単純化すると、食事・運動・睡眠・ストレスコントロールといった生活改善をベースに、鍼灸や漢方薬など自然の生薬を使って体を総合的に元気にするという方法です。これまた独断と偏見でばっさりと単純化すると、西洋医学の医者は食事・運動・睡眠・ストレスコントロールの重要性は誰もが認めているものの、研究としてはやりたくないのが本音だと思います。なぜなら研究成果が認められる為には多くの別の研究者が同じ実験をして同じ結果が出る(再現性がある)事が重要で、東洋医学のアプローチは実施方法が曖昧な上「元気になった」という指標すら曖昧だからです。現在の多くの学会では「実験対象を無作為に二つのグループに分け、一方には薬剤Aを毎日Bmg投与し、もう一方には生理食塩水を投与した。その結果一か月後の血液検査ではAを投与したグループのCの値が優位に上昇した」みたいな結果でないと科学として認められないという風潮(よく聞く「科学的エビデンス」というやつですね)があり、東洋医学の研究成果は成果として認められ難いんですよね。しかし先に述べたように、西洋医学の科学的アプローチは原因が一つである時は劇的な効果をもたらしますが、「なんか体調がすぐれない」とか「最近老化が激しいと思う…」みたいな事を改善させる事には正直歯が立たないのが実情です。それでもほとんどの医者は食事・運動・睡眠・ストレスコントロールが健康に重要な事は経験的に知っていて、恐らくこれを否定する人はいないとは思いますが。


この中で、食事・運動・睡眠については多くの人が注意していると思いますが、意外に難しいのはストレスコントロールではないでしょうか? なぜなら食事・運動・睡眠は不摂生をすると不調がすぐに表れますが、ストレスコントロールはしなくてもすぐに変化が起きないからです。ストレスコントロールに「笑い」が良いという話はよく出ますが、お腹を抱えて笑ったのって最後いつだか覚えてます? しょっちゅう笑っている人もいますが(私の経験では、そんな人は健康な人が多いですね…(^_^))私は心の底から笑ったのっていつだっけ??と思ったんです。同じように子供の時初めて遊園地に行った時のようなワクワクを最後に感じたのはいつだっけ??とも思ったんです。お腹を抱えて笑わなくてもワクワクを感じなくても生きていく事はできますが、「こりゃ健康にはならないな…(^_^;)」と自分でも改めて反省した次第です。そんな中で友人Ⅿの「あんなに喜んでる私を見たのは初めて」という言葉で我に返り、笑いやワクワク感…これこそが、本当の意味で人を健康に導く最良の薬だと確信しました。私個人としては卓球が最も良い薬になってくれるはずだと。「卓球を通じて人生に喜びを」…と、いつも突拍子もない事を思いつくMならではの提案ですが、考えてみると確かにグルメって、年取ってくると健康に相反するものが多いですもんね。その点スポーツは健康的で楽しいし、骨粗鬆症の予防にもなるし一石二鳥! 卓球サロンを開いたら、マシンを設置してくれた卓球好きのおっちゃんも来て熱くマシンを語ってくれるかもしれませんし、卓球が好きな方はぜひ覗いてみてくださいね。お会いできるのを楽しみにしています!



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