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クリニック通信

  • 公開済み: 2020年12月30日
  • 作成者: slca-kobe

214回「2021年は果たしてどんな年に?」

あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました。2020年は本当にコロナで大変な年でしたね。そのせいか例年より何もしないうちにあっという間に1年が過ぎてしまった気がします。今年こそは少し落ち着いて欲しいですよね。でもコロナのお蔭で、いろいろ考え直させられる事も多かったと思います。せっかく新年になった事だし、ここはあえてコロナによって世の中が良くなった…いや良くなったとは言いませんが、少なくとも便利になった事を考えてみたいと思います。なんと言っても世の中の一番大きな変化は「リモートワーク」が認められるようになり、「行政を含めたあらゆる手続きのデジタル化」が急激に進んでいる事ではないでしょうか? 医者の世界でもズーム会議やオンライン学会が急速に普及しました。一旦普及すると「今となっては、それ以外は要らないんじゃないの?」って思うくらいです。先日も抗加齢医学会がオンライン併用で開催されたので、WEBで参加しました。抗加齢医学会と言えば、美容皮膚科学会や美容外科学会と違ってほぼ全ての科が関係しているので、参加者も多く会場も超絶広くて、いつもはあちこちの講演を聞くために移動も多く疲れ切ってしまうのですが、WEBだと移動も必要ないし、PCを2台使えば同時に複数の講演も聴く事ができて超便利! もう学会はこうでなくっちゃね。ただ、学会後のグルメができない事だけが心残りではありますが…。(しつこい?)   抗加齢医学会の講演の内容を一部紹介しますと、今回は「フレイル予防」に関する話題がたくさんありました。「フレイル」とは、加齢により心身が老い衰えた状態の事で、健康な状態と要介護状態の中間を意味します。フレイルの基準には「1.意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少 2.何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる 3.歩行速度の低下 4.握力の低下 5.身体活動量の低下」の5項目があり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断するそうです。加齢などにより筋力や筋肉量が減少すると活動量が減ってエネルギー消費量が低下し、その状態では食欲が湧かないので食事の摂取量が減り、低栄養の状態になって体重が減少し、筋力や筋肉量が減少するーという悪循環をフレイル・サイクルと呼びます。フレイルの状態になると身体能力の低下が起き、病気にかかり易くなったり怪我をし易くなります。例えば健常な人が風邪をひいても数日すれば治りますが、フレイルの状態だと肺炎を発症したり、怠さのために転倒して骨折し易く、怪我や病気による入院をきっかけに要介護になって死亡率が上昇するので、健康長寿のためには「フレイル予防」が重要だという事です。日本人の平均寿命は1920年頃は42歳だったのに2020年には84歳となり、この100年で2倍になりました。ただ多くの人にとって人生最後の10年は介護が必要となるので、介護期間を短くし、健康寿命を延ばすという事が抗加齢医学の課題です。近年の医療では癌や感染症などの重い病気に対する解決策は多く見いだされてきましたが(と言っても今年はコロナに翻弄されましたが)、認知症やフレイルのように加齢に伴って進行する心身の機能低下は未解決の課題です。老化は加齢に伴う心身機能の低下の事であり、加齢=老化ではありません。この老化予防のためにはフレイル予防が大切だという事です。 では実際にはどうすれば老化が予防できるのか? 単純には、食べ過ぎない事・運動する事・よく寝る事が重要なんですが、忙しい(誘惑が多く意志の弱い?)現代人には難しい事も多い…という事で、推奨されていたのはサプリメントや点滴での老化予防薬や栄養素の摂取、そして「見た目を若くする」という事です。見た目と老化の関係は以前からよく言われていますが、見た目が若いと体の老化も防げるようです。サプリメントでは今回特に注目されていたのはビタミンⅮ。ビタミンⅮは骨を強くするだけでなく、最近では筋肉や免疫能の維持・癌や結核の罹患率低下などの効果が知られてきており、血中ビタミンⅮ濃度が低いとフレイルのリスクが高くなるという報告や、ビタミンⅮの血中濃度が高いと風邪やインフルエンザの罹患率が有意に低かったという報告もあるそうです。スペインではコロナ患者にビタミンⅮを投与したところ、ICU(集中治療室)への入室率が非投与群で50%だったのに対して投与群では2%で、非投与群では2名が死亡したが投与群は全員退院できたとか。ビタミンⅮの他にもビタミンK・B・C・葉酸のうち、摂取量が不足しているビタミンの数が多いほど骨折リスクが高いという報告や、ビタミンEが血管の柔軟性を保つという報告もあり、ビタミン以外ではコエンザイムQ10やアスタキサンチン・男性ホルモン・NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が心機能や筋力をアップし、老化を防いでコロナにも負けない体力作りへの効果が期待できるという報告もありました。 サプリメントの摂取は簡単ですが運動もやはり大切で、「健康長寿のための簡単筋トレ」という講演もあったのでちょっとご紹介。いろいろな筋トレの中でスクワットは必須で、「浅いスクワットは浅はかなスクワット」と言うらしく、背筋を伸ばしてできるだけ深くしゃがむ事が大切だそうです。また「ついで筋トレ」も大事で、何かをしながら気づいた時にできる回数をするのがいいんだとか。私も学会後はスクワットを取り入れていろいろな筋トレをしてみましたが、やりすぎてしばらくはかえって調子が悪くなったので、無理せず自分に合った回数を見つけるのがいいようですね。 さて、そうは言ってもこの学会で一番オンラインが有効に使われていたのは、会長特別企画の「中村雅俊Talk&Live」ではないでしょうか…。抗加齢医学会では毎年「会長特別企画」というものが行われ、昔のアイドルも時々登場するんですが、いつも人気で大ホールが満員になるので、郷ひろみの時なんか前の席を取るのに長蛇の列ができて、並ぶのが嫌で後ろの方の席になったら米粒くらいにしか見えなかったんですが、オンラインだと間近で見るようにTalk&Liveを満喫できました! 中村雅俊と学会長のTalkは、今回の学会長が中村雅俊に負けないくらいダンディーだったので、すごくいい感じに盛り上がってました。学会ホームページの会長挨拶の写真なんか、若い頃赤いポルシェのオープンカーに乗ってる写真でめちゃくちゃイケメンなんです。いつもは閑散とする閉会式がWEBで600人以上の視聴者がいたそうですから、やっぱり見た目は大切ですねぇ。老け顔の人は早死にするという統計も出ているようですから、やはり体力アップと共に見た目もアップするのが健康長寿の秘訣だと思います。 ところで、コロナのお蔭で便利になった事としてもう一つ挙げると、普通の病院で「電話再診」ができるようになった事があります。これは私も最近まで知りませんでした。コロナ前に定期的にかかっていた大きな病院はコロナで大変な事になってしまったので診察はずっと延期してたんですが、先日ちょっと調子が悪くなったので卓球部の後輩でその科の専門医に相談してみました。(何回かこのクリニック通信にも書いていますが、私は卒後ずっと大学の卓球部の行事に顔を出しているので、30学年以上にわたって親しい後輩がいます。この年になると後輩たちも多くが各科の専門医になっているので、こういう時に超便利なんですよね。)そうすると今は「電話再診」というものがあるから、その後輩の医局(大学の各専門分野の集まり)の後輩で私がコロナ以前に診てもらっていたN先生に、電話再診で僕がお勧めの処方を出してもらったらどうですか? と教えてくれました。しかしN先生の予約は5月まで延期してしまったところで、病院のホームページを見ると電話再診は予約の2日前までに申し込まないといけないとあります。元々の予約日も2日前を過ぎていたのでどうしたものか…。そうだ先生に直接聞くのが一番早いと思ったんですがメールアドレスを知らなかったので、N先生も私が先輩の先輩だという事はご存じだしどうしたらいいか聞くくらいはいいだろうと思って、病院に電話をしてみました。すると1回目に出た電話交換手は、「N先生は外来日以外は他の病院に出張しているので秘書に繋ぎます」と言って秘書さんに繋いでくれ、秘書さんに「明日の外来診察前でしたら確実につかまりますので9時前に電話してください」と言われました。 翌日言われた通り9時前に電話すると、今度の電話交換手はめっちゃ感じ悪かったんです~! 普通の病院では医療機関名を名乗ると大抵「お世話になっております」と言われて文句なく繋いでくれるんですが、いきなり「何の用ですか」。とつっけんどん。「N先生の先輩からの用を伝えたいので」とか適当に言うとしぶしぶ繋いでくれました。N先生に事情を話すと丁寧に「申し訳ありませんが今の病院のシステムですと来週の僕の外来の予約になってしまいますので、調子が悪くてお急ぎでしたら出張病院の初診で電話診察を申し込んでいただく方法がありますが」と言ってくれました。しかし初診の手続きは大変そうだし、その時は1週間待てると思ったので「では来週お願いします」と言ってしまったんですが、電話を切った途端にえらく調子が悪くなってきました。これってあきらかに「マーフィーの法則」ですよね。パソコンの調子が悪くなって保守の業者を呼ぶと、業者の人が来た時は調子が悪くなく「じゃ、しばらく様子を見てください」って事になって、その人が帰った途端にまた調子悪くなるのはなぜなんでしょう?? 病院だって診察の時は「あれ?調子いいな。なんか治ったかもしれないな?」って感じだったのが、家に帰った途端に調子悪くなったりしません? 私にもマーフィーさんは例外なく意地悪をしてくれるようで、さっきまで「あ…もしかしたら治ってきたかも」と思っていたのに、電話を切った途端になんか調子が悪くなってきました…。しまった! 出張病院の名前聞いといたら良かった!慌ててもう一度電話すると、さっきの感じ悪い交換手が「もう外来だから」と繋いでくれません。まだ9時になってへんのに! 仕方がないので事務の人に病院名だけでも聞いてもらおうと思って「では受付に繋いでください」と言うと、「医療機関の方の電話は受付には繋げません」。なんやて~!? それってどんな理屈なん?「先生に伝言してもらうだけなんですが」と言うと「どうしてもと言うなら、地域医療連携室に繋ぎますけど」…もうなんでこんな感じ悪いん?? それやったら最初から地域医療連携室に繋いでくれたらええやんねぇ! なんかあんたに悪い事した?? もう気持ちまで凹みまくりです。まぁ地域医療連携室の人はすごく丁寧で、病院名と電話番号まで教えてくれたんですが…。   なんで電話交換手があんなに偉そうなん??…って友人にこぼすと、「おるおる。大きい会社とか特にね。自分は全然偉い訳でもないのに、自分が偉くなったかのように勘違いする奴がねぇ…。そんな奴に限って、業界の有名人の名刺を集めまくって机に丁寧に並べた挙げ句、こっちが聞いてへんのに『今日はこんな人に会ったんだけどさぁ…大物なのに意外に気さくで話し易い人って感じで好感持てたんだよねぇ』とか言うねん。そんなん聞いてへんっちゅーねん。それにホンマに話したん? どう考えても相手があんたに興味持って話したとは思えへんけど。それにあんた、いつから東京弁になったん? もう意味分からんし」…と私以上にぼやいていました。ただ、忙しい時に電話したから先生が気を悪くされて取次ぎを拒否されたんだったらまずいと思い、出張病院に予約を入れた時に保険証をメール添付で送ってくださいと言われたので、そのメールに先生へのお詫びと、電話診察が早く済むように症状経過と質問事項をまとめたメールを付けて先生に転送してもらいました。 そして電話診察の日。予約時間より30分待たされましたが、先生はめちゃくちゃ丁寧で「えらいお手間をかけてしまいまして…」と恐縮されていました。やっぱりあの電話交換手が意地悪なだけやったんや。あんなん病院の顔の電話受付に置いといたらあかんやんねぇ。でも公立の大きな病院やから、売り上げは関係ないしそこまで気遣ってないのかな。そう言えば電話診察の料金も、大きな病院は「次回受診時支払」で、N先生が出張している小さな民間病院は銀行振込かカード決済でした。次回受診時支払だと取りっぱぐれるかもしれませんもんね。その代わり小さな病院は電話も凄く丁寧で愛想良かった~。えらい違い。やっぱり民営と公立は違いますね。…と年始早々愚痴ってしまいましたが、診察料もカード決済できるようになってたのには驚きました。そんな風に「病院も変わってきたんだな…」と思う反面、「大体なんで電話交換手が必要なん? そもそもWEB申し込みにして結果をメールで送ってくれたらこんな不愉快な思いせんで済むのに…」とも思ってしまいます。 この話も先の友人にこぼしたところ「おぉ!ええとこに気づいたやん! 今のデジタル化で若いもんとおっちゃん世代との間にギャップができてしもて埋まれへんのはそれやねん!」え?どういう事? その友人曰く、「おっちゃん世代はデジタル化を『便利か便利ちゃうか』で考えてるやろ。メールより電話の方が便利て思てる訳やん。そやからデジタル化するモチベーションがほとんどないねん。PDFの資料より紙に印刷した資料の方が読み易いから資料は印刷して、音声も聞き取り易いから対面で報告するように…とか平気で言う訳や。そやけど若いもんは『便利か便利ちゃうか』の視点では見てへんねん。そもそも『人とのコミュニケーションそのものがウザイ』ねんやん。一方で友達とか気の合う人とはずっと『繋がってたい』ねん。そやから、デジタル化は『便利』やから推進して欲しいのとは違ごて、『知らん人とか上司(自分と違うステージに居る人)と余計な会話せんで済む、そしたら時間も節約できるし嫌な思いする事もない』ていうのが若いもんのデジタル化のモチベーションやねんなぁ。そやからWEBサイトに問い合わせ用の電話番号とメールアドレスの両方書かれてた時にメールするのが若者、電話するのがおっちゃん…って訳や。ここが勘違いされてるから若者とおっちゃんとの間でギャップが永遠に埋まれへんねんなぁ…。はっきりしてる事は世代間の分断は広がるばっかりで埋まる事はないって事やね」って事らしい。なるほど、確かにそういう事かもしれません。今回のコロナのお陰でこのような見えにくかった社会の構造や変化も顕在化してきた訳ですね。そう言えば、2020年はアメリカ大統領選挙もありましたが、大統領選挙の焦点の一つが「社会の分断を今後どうするか?」であったと思います。(この時の分断は世代間の分断と言うよりも、アメリカ社会での『持てる人達』と『持たざる人達』の分断であったと思いますが。) 日本でもこの『社会の分断』の波は必ず来るし、もう来ていると言う人もいます。日本でも2020年の流行語大賞にはならなかったものの『上級国民』と『下級国民』というような分断を象徴するような言葉が流行りましたし、退職金を受け取って悠々自適に生活する老人に対して、生活困窮を極める『下流老人』というような言葉も流行しました。2021年は確かにあらゆる意味での『分断』に社会がどのように対応していくのかが大きなテーマになるのかもしれません。そしてこの『分断』を早めたのは今回のコロナ禍も一因をになっていると思います。ただどのような変化も良い側面と悪い側面があると思いますので、『変化』についてはポジティブに受け止めていき、自分が対応できるように変わっていくしかないですね。それに「この自分が変化に対応していく」という事こそが若さの証拠であるし、若さを維持する為の最良の方法でもあると思います。皆様と一緒に今年もこの変化を前向きに受け入れ、楽しんで進んでいきたいと思います。そして見た目を若くして健康長寿を得るお手伝いができるように今年も頑張りますので、どうぞ宜しくお願い致します。

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