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クリニック通信

  • 公開済み: 2020年06月30日
  • 作成者: slca-kobe

第208回「現代のセバスチャン」

こんにちは。柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。都道府県をまたぐ移動が解禁となり、感染予防と両立しながら社会経済活動を回復させる「新たな日常」が始まりましたね。そんな中でも緊急事態宣言下の生活で「普通」になってしまった事もありますよね。前回クリニック通信で紹介した「zoom飲み会」もその一つではないでしょうか?  友人の会社でも、お客さんとの打ち合わせを兼ねた飲み会が普通に「じゃぁ、zoomでやりますか」って事になるそうです。私もその後予定通り、3年前まで当院にアルバイトに来ていた、東京のIT系企業勤務の韓流B君と(アルバイトといっても彼は10年近く当院で活躍してくれて、正社員を超えるプロ・アルバイターだったのですが)、去年まで正社員でいてその後独立開業した中国のK君とzoom飲み会を開催しました。当院でアルバイトをしていたジェンダーレスT君も誘ったんですが、今回は(PC音痴だからか?)不参加。でも次回は参加したいとの事でした。(その間にzoomの勉強するのかな? LINEだったら彼も使えるかもしれないから、次はLINE飲み会として誘ってみよう…。) さて、zoom飲み会当日。コンビニであてを買い込んでビールを冷やしてから、zoomにK君とB君を招待します。「わ~、K君久しぶり~!」B君よりK君の方が先に繋がりました。 「あれ?B君はまだ? 取り敢えず飲もか!」「カンパ~イ!」取り敢えず2人でビールです。しばらくしてB君が参加。しかし声が聞こえなかったり、声が聞こえたと思ったら映像が消えたり、調子が良くありません。B君はITバリバリのはずなのに…。「いやぁ、いつもGoogleの方を使ってるんで…」私はzoomしか使った事がないので、違いがさっぱり分かりません。 仕方なくB君がLINEのビデオ通話を繋いでくれて、そちらでオンライン飲み会となりました。
B君:「Kさん、久しぶりですね~。お店の方はどうですか?」
K君:「もう大変ですよ~。ほんとしんどい。朝家出て、帰って来るのは夜中です。
コロナでますます大変だから、出前でなんとか持ちこたえてます。
Bさんはどうですか?まだ最初の会社にいますか?」
B君:「僕は1回転職しました。同じIT系の会社ですけど。ITは楽ですけどね、サラリーマンは 夢がないからなぁ。Kさんは夢があるからいいじゃないですか」
柴田:「K君は元町に別のお店出すらしいよ」
B君:「え~、凄いなぁ! 何のお店ですか?」
K君:「麻辣湯(マーラータン)専門のお店です」
B君:「麻辣湯! 韓国でも流行ってますよ。東京でも行列のできる店もありますよ~」
麻辣湯って皆様ご存知ですか? 麻辣湯は、中国四川省発祥の辛いスープ料理です。「麻(マー)」は花椒(ホアジャオ)の痺れるような感覚、「辣(ラー)」は唐辛子の辛味、「湯(タン)」はスープという意味だそうです。スープに入れる具材は、店頭にズラリと並ぶ食材から自分で好きな物を選びます。K君のお店では、なんと60種類の具材から選べるんだとか! 大阪で一番美味しい麻辣湯ってよく言われるそうです。スープは漢方作用を持つスパイスをたくさん使用するので、刺激的な味でありながら、健康や美容への効果も期待できるらしい。これは元町出店の際はぜひ行かなければ! まぁ当分はデリバリーを頼むかもしれませんが…。 しかし、このコロナ禍の中で新店を出店するなんて、バイタリティありますよね~。留学生の大抵は、海外で頑張ろうという子なので本当にバイタリティがあります。そして、たまに変わった子もいますが、最近の日本の若者よりも礼儀正しく律儀な子が多い気がします。韓流B君なんか、10年前に一緒に韓国の学会に行った時に私がカンジャンケジャン(生の渡り蟹の醤油漬け)をすごく気に入ったのをいまだに覚えてくれていて、「カンジャンケジャン、ネットで買えますよ!」って情報をくれたり、K君はクリニック移転の時に移転祝として立派な鉢植えの蘭を贈ってくれたり…。ある意味、日本ではもうすっかり忘れ去られた昭和な価値観を持っているんではないしょうか? そう言えば、今のクリニックのアルバイトS君も中国(正確には内モンゴル)からの留学生なんですが、めちゃ礼儀正しくて昭和感満載です。神大生なんでB君の後輩にあたりますが、B君2世という感じの優秀さと忠実さ。法学部で法律家になりたいらしいのでB君とは畑は違いますが、何か共通したところがあるような気がします。 先日S君から「先生、お疲れ様です、お忙しいところすみません。昨日、クリニックに鍵みたいな落とし物がありませんでしたか?」とLINEが。探してみると鍵がありました。
柴田:「あったよ。これ何の鍵?」
S君:「私の下宿の鍵です」
柴田:「えーっ、昨日どうやって帰ったん??」
S君:「友達の家に泊まりました」
柴田:「なんで連絡してけえへんかったん??」
S君:「気付いたのが22時過ぎていたので、先生もう休まれていたら申し訳ないと思いまして…」
柴田:「22時になんか寝てへんよ。電話してきたら良かったのに」
S君:「いえ、大丈夫です。今日取り行きたいんですが、何時頃可能でしょうか」
柴田:「今からはどう?」
S君:「すみません、もうすぐゼミのミーティングなので、今から行くのはちょっと難しいです。
明日出勤する時に取ります。失礼しました」
柴田:「えーっ、そんなん今日も友達のとこ泊まるん?? 17時から19時の間はどう?」
S君:「その時間帯なら行けます。ありがとうございます!」

もう謙虚すぎてびっくりです。先日クリニックにボトックスを打ちに来た友人Mも、
「S君はなんかすごいね…。セバスチャン感満載やねぇ。先生の指示がいつ飛んできてもいいように控えてるでしょ。昭和初期の感じやねぇ。」と感心していました。今の日本の若いもんに爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい~!!
あ、、、皆さんはセバスチャンって分かります? 当院の患者様の年齢層であれば、昭和世代の方が多いので解説不要とは思いますが「執事」の事です。でも「執事」は英語では確かバトラー…ですよね。なんでセバスチャンなの? ちょっと気になってネットで調べてみると「『執事と言えばセバスチャン』はいつ成立したのか?」という解説ブログを立ち上げている人がいました。さすがネットで調べると何でも出てきますね。ちょっと引用しますと…「執事に関心がある方は『執事と言えばセバスチャン』という通説をご存知かと思います。ググって見れば、その回答を求める方々の言葉や回答が溢れています。その通説は、アニメ『アルプスの少女ハイジ』の男性使用人(実質的には執事)が「セバスチャン」という名前で、そこに由来して日本のクリエイターたちが「セバスチャンという名前の執事を描く」現象になったと言われています。しかし「誰がこの通説を言い出したのか」の確固とした回答を持つに至っていません」と…どうでも良さそうな話題に律儀な回答から始まります…(^_^;)。うん? さらに読み進めると…なんとこの人は『日本の執事イメージ史 物語の主役になった執事と執事喫茶』という本まで出版しているみたい…。ひゃ…この方はまさに執事に対する研究に情熱を捧げているようで…(単なるオタクって感じもするが…)彼曰くは日本において執事=セバスチャンは若い世代にでも十分通じるものであって、昭和の死語ではなさそうです…。どうでもいいんだけど何やら一安心…(^_^)。 脱線ついでに、「執事」と言えばイギリス。貴族に使えるプロの召使いと言うか、使用人のトップであって実質的には「お城運営の現場を取り仕切る監督」のような役割をしてる人が「執事」であるようです。それでも本場イギリスでも、プロの執事になる人は激減しているようで、時代の流れと共に、もうすっかり過去の職業になっていると言われています。そのイギリスにおける、「最後の執事」とも言える姿を描いた傑作文学、カズオ・イシグロさんの「日の名残り」が有名ですよね。カズオ・イシグロさんと言えば、2017年にノーベル文学賞を受賞したのですが、日本生まれで両親も日本人なんですが、本人はイギリスでの生活が長く、日本語はほぼ話せないそうです(…って事で、「日の名残り」も英語で書かれた小説を日本語に翻訳されたものが日本でも読まれているのであって、原文ではないのです)。国籍もイギリスなので、ノーベル文学賞はイギリス人としての受賞でした。私もこの小説を読みましたが、本当に古き良き時代のイギリス貴族の社会に生きる「執事」って、こんなにプロ意識が高く、しっかりとした世界観があったんだな…と思い知らされました。「召使い」という言葉で表すのは明らかに間違っていて、「番頭さん」というのがイメージとしては近いのではないでしょうか? 日本の落語とかに出てくる「番頭さん」って、場合によっては主人よりずっとしっかりしていて、商売の現場を完全に取り仕切っていますよね。おかげで旦那さんは、商売はそこそこにもっぱら趣味の世界に没頭していて、それを見て育った若旦那は、更に輪をかけた放蕩息子。この主人と若旦那がしでかす数々の問題をしっかりした「番頭さん」がなんとか処理してくれるおかげで、本家が傾かずに済んでいる…という話が多いんですが、まさにそれですね。ただ日本の「番頭さん」は何年か番頭を務めると「暖簾分け」をさせてもらい、いずれ自分も主になる…というキャリアパスがあるので頑張るというモチベーションも高いんでしょうが、イギリスの執事の場合は、「頑張ったから自分が主人になる」というキャリアパスは絶対に存在しないので、その意味で言うと執事の方が「プロの職業人」と言うべきでしょうか。「日の名残り」の中でも、執事が仕える主人は伝統的なイギリス貴族ではなく、アメリカで財をなし、イギリスのお城を購入してイギリスに移り住んで来たという「ニュータイプ」のご主人です。アメリカ人らしく気さくでオープンな人なのですが、執事は昔気質の人なのでそこで生まれる葛藤や、それでもプロとして執事の仕事を全うしようとする姿などが描かれていています。そうやって時代が変化していき、古き良き時代が終わって新しい時代の新しいものに置き換わっていくのだな…という事もしみじみと伝わってくる傑作です。 しかしなんですね…社長であるご主人より番頭さんというか二番手の方がしっかりしている会社って、結構多くないですか? 実名を書くのは差し障りがあるのでそれはちょっと控えますが、当院で取引をさせてもらっている会社の中には「この社長でよく会社が成立しているなぁ…」と変な意味で関心するところが少なからずあります。私の中の常識では、「どうして会社が機能しているか分からない」のです。ただし、それでも成立している場合は、例外なく二番手以下に素敵な人材が揃っているんですよね。(まぁ考えてみれば当たり前で、二番手以下もダメダメだったらもう脳死状態ですよね…(^_^;)。不思議なのは、なんでそんな駄目社長にやり手の二番手がついていってるのか…という事です。私の目から見れば、この人達は早々に独立すればうまくやっていけそうな気がするのですが、社長のミスをかばいながら何とかかんとか頑張っています。きっと本人は「番頭としていやっているからこそ自分の良さが発揮できる」という自覚があるのでしょうね。実はこのような状態こそが現代のセバスチャンであり、現場を取り仕切るプロとしての、誇りと自覚なのかもしれません。現代において時代は変われど、「セバスチャン」としての本質は形を変えて続いているのかもしれませんね。 ちょっと話が脱線しすぎてしまいましたが、友人Mのお墨付きのセバスチャンS君も、私の指示は律儀に守り、絶対に手を抜いたりしません。それどころか、私の意図を汲み取ってできる限りの事をしてくれようとします。例えばコロナの感染対策に私がすごく気を遣ってるのを理解して、私の指示以上に院内の消毒を徹底的にしてくれるし、郵便物は消毒してから日付を書いて、ウィルスが消失する日数が経ったら「これが大丈夫な分です!」と開封してくれます。出勤したら自分で体中にアルコールを振りかけ、手もこまめに消毒していますし、その律義さと言ったら本当に昭和的というより大正から昭和初期にかけての感じです。(…って大正の頃なんてもちろん私には分からないんですが、なんとなくそんな感じなんです…。)思えば私も、今までずっと色々なスタッフに支えられてここまで来る事ができました。このように律儀なスタッフに恵まれる事は、本当に感謝すべき事なのだな…と、このコロナ禍の中で思った次第です。 当院は基本的に院内には一人の患者様しかおられないように予約を制限していますし、院内はセバスチャンS君が徹底的に消毒してくれていますので、皆様安心してクリニックにお越しくださいね。移動も解禁された事ですし、また皆様にお会いできる事を楽しみにしております。

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